1 ドライビング       

 日本で1年間有効の国際免許を取ってきた。免許はあってもいざ運転となると勇気が要る。「誰かに乗せてもらって運転感覚を掴み、道を覚えてから運転するといい」とアドバイスを頂戴したが、車社会のアメリカ、車なしでは買い物にもどこにも行けない。最初はレンタカーを借りての初挑戦である。

左に運転席があり、右側通行をする。予備知識はあるものの、わかっているから思ったとおりに出来るというものではない。バスケットボール部員の気持ちが良く分かる。なんと、8月からの4ヶ月間に、3回も左側を走った。最初は車を運転しての3日目、右折した時に、つい日本の如く左車線に入った。丁度目の前に穴ならぬ空き地があったので、そのまま突っ込んだ。2回目は魚釣りの帰り、完全に緊張感がとれていた為か、気づかぬまま300mは走った。対向車を見つけ、なぜ同じ側を走っているのか考えた。「まずい、俺が違う」と気づくのに3秒くらいかかったであろうか。運転者と目を合わせないようにして通り過ぎた。3回目はグロッサリー(大型食料品店)の帰り、すぐ前の道を一方通行と勘違いし、堂々と運転していた。30m先から、左折した車が同じ車線に入ってきた。運転者と目が合った。若い女の娘だ、美しかったかどうかは定かでない。驚きとともに何かを口走っている。助手席の娘は笑い出した。私は自分の失敗に気づき、日本流のバウとともに手を上げ、聞こえないだろうが I’m sorry と言っておいた。

道路標識を始め、日本のルールとは随分違う。印象的だったものがいくつかある、赤信号でも安全確認ができれば右折しても良しというルールである。皆、確実に一時停止してから、実行している。いかにもアメリカらしい合理的なルールと言える。今一つは、左折する時にだけ入る車線が作ってあることだ。道路を横切って左折する時には、そこに入って対向車がこなくなるのを待つ。これも車の流れを止めない方法として実にいい。日本も真似れば良いと一瞬思ったが、直ぐに日本の地価では無理である事に気づいた。

 

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