古武術練習日誌

 

2002年10月2日(水) 

ビデオ「バスケットボール革命」を観る

雑誌「コーチング・クリニック」11月号:ベースボールマガジン社を読む

 9月31日に前期の期末試験が終了し、再び練習を開始しました。10月1日には部員全員でビデオ「バスケットボール革命」を観ました。9月13日の日誌にも書いていますが、ビデオを観て技を真似ようとしても、そのベースとなる柔軟性や身体感覚がなければ身につけることは困難だと考えています。

 股関節周辺のインナーマッスルトレーニングは「四股踏み」を継続実施して様子を見ようと思っています。加えて半年以上前から行ってきた「ムービングストレッチ」も股関節の可動域を広げるには良いストレッチだと思いますので、意識を高めて継続していこうと思います。

 肩甲骨周辺、脊柱周辺の柔軟性を高める為には、2人組の徒手という手段が有効であると思いますが、できれば個人で行いたいものです。静岡県にお住いのプロ・フリートレーナー新井雅晴氏 http://www2.wbs.ne.jp/~lt35924/mine.htm にご無理を言って、ヒントを頂戴しました。また、11月号「コーチング・クリニック」ベースボールマガジン社に硬質発砲ポリエチレン製のフォームローラーを利用したコア(Core:核、軸、中心、幹)ストレッチの紹介を発見しました。背中の筋肉・靭帯を緩めるのにとても効果的であると書いてあります。できるだけ早急に入手して、実践してみようと思います。

 また、スポーツ鍼灸界ではあまりにも有名な白石 宏先生の投稿原稿の中に面白い文を見つけました。

 息を吐きながら動作を行う

 近年、スポーツに武道の考え方が取り入れられており、「丹田」「ナンバ歩き」といった概念がスポーツ動作改善のヒントを与えています。私自身には武道の心得はありませんが、武道家の方々とのお話から、「息を止めないで吐きながら」動作を行うことによって、これまでとは少し異なるかたちで体幹が使われることに気づきました。−以下略ー

 体幹の深部の筋肉を意識する

 息を吐いていくと腹部が凹んでいきます。これこそ足の裏から息を吐き出すような感覚で息をずっと吐き続けていくと、体幹の深部の筋肉が締まってきて、骨盤周りが硬くなってくるのがわかります。この感覚は武道でいう「丹田に力を入れる」というものに近いものだと思います。そしてその感覚の時に行う動きが、今まで私が目にしてきたトップアスリートの動き、例えばカール・ルイスのスプリントフォームのような、全速で走っているのだけれどまるで宙を走っているような、しなやかさをもった動きに非常によく似ているように思うのです。−中略ー 息を吐きながら(色々な動作を)行うことによって、体幹の深部の筋肉の使い方を知ってもらうのです。

 呼吸ということが出てきましたが、「気配のない動き」「しなやかな動き」を求めていくと克服(体得)して行かなければならない技術であると考えています。先ずは「腹式呼吸」の導入からでしょうか。四股踏みに合わせて実践してみようと思います。

 

2002年9月13日(金) 

「半年間に学んだこと」

 半年ぶりのスタートになります。心機一転「ですます調」に改めます。811日(日)の全国高専大会で1年のシーズンが終わりました。休止していた古武術を再開しようと思います。否少しずつ始めています。

 半年間で何が分かったか、何をしてきたか。

@「効率的な身体運用法」について書かれていると思う本を読み漁りました。

「スーパーボディを読む」伊藤 昇:マガジンハウス、「子どもに伝えたい三つの力」斎藤 孝:NHKブックス、「自然体のつくり方」斎藤 孝:太郎次郎社、「からだにはココロがある」高岡 英夫:総合法令、「からだには希望がある」高岡 英夫:総合法令、「眼が人を変える」田村知則・小林信也:草思社など

A甲野善紀先生の門下生として研鑚しておられる防衛大の入江先生とお会いしました。

 わざわざお持ちいただいた手裏剣を投げさせていただきました。手裏剣というのは、ギザギザの星型だと思っていましたが、鉛筆 を太くしたような形でした。1本につき1万円以上するとおっしゃっていましたが、忍者は投げた後、回収して回ったのでしょうか?

 「古武術的な動きが生み出す速さ」について科学的に検証することを相談しました。

 ビデオ「バスケットボール革命」を一緒に見て、技の研究をしました。

B高岡英夫先生の指導を受け、「ゆる」について部員と共に実践を続けておられる鹿屋体育大学の清水信行先生に「ゆる」の手ほどきをしていただきました。

 からだをほぐすための、マッサージのようなものを女子選手にしていただきました。「ゆる」歩きを行い、選手と比較して撮影した8 mmビデオを持ち帰りました。自分の画像を見ると笑えます。

C一本歯下駄の散歩を毎日続けています。 

 

 ボールハンドリングができない選手に高度なドリブルテクニックを教えても身につかないように、古武術的な動きを習得するためには、「基本となる身体の操縦法」があるのではないかと考えてきました。古武術の為のファンダメンタルといったようなものです。

 例えば、人間の背骨は椎骨の集合体であり、いろいろな大きさのカーブを作り得る構造になってますが、ほとんどの人間はそれを実感できていません。「ゆる」めることができれば、人間の身体はもっともっと多様な動きを作り出すことができるのではないでしょうか。

 ビデオ「バスケットボール革命」にある動きだけを技術として求めても、センスを持つ一部の者を除けば、マスターすることは決して容易なことではないと考えます。

 具体的にバスケットボールに結びつく「効率的な身体運用法」を作りだすために必要な「基本となる身体の操縦法」として、次の内容を考えました。

 @球関節を持つ肩関節(肩甲骨)・股関節周辺のインナーマッスルに刺激を与え、可動範囲を広げると共に力みなく自在に動かすことができるようにする。

 A脊柱を形成する椎骨周辺のインナーマッスルに刺激を与え、緊張と弛緩が自在にできいろいろな姿勢を作りだすことができるようにする。

 B全ての姿勢において常に軸(中心感覚)を意識し、すがったり、もたれかかったりすることなく、自分だけで安定できるバランスを心掛ける。

 C「当意即妙」に対応できる「上虚下実」状態。技としての「自然体」を身につける。

 D自分の軸と相手の軸を合わせたり、ずらしたりする感覚を身につける。

 

 見えない筋肉であるインナーマッスルという言葉を盛んに使っています。古武術的な「貯めない」「読まれない」動きを作るためには見える筋肉アウターマッスルを極力使わないことが必要になりそうです。ゴロ合わせではありませんが、見えない動き=見えない筋肉=インナーマッスルということになるかもしれません。

インナーマッスルについて十分な知識をお持ちでない方は次の文をお読みください。

見える筋肉、見えない筋肉

健康体力研究所「石井直方教授のコラム」より

唐突ですが、皆さんはどのような筋肉をトレーニングしていますか?即座に大胸筋、広背筋、大腿四頭筋、三角筋…などといった答えが返ってくるでしょう。これらは、「見える筋肉」です。ボディービルダーであれば、外から見える筋肉はもちろん重要です。しかも、一般 的なトレーニング種目のほとんどは、こうした「見える筋肉」を主働筋としています。一方、スポーツトレーニングの分野では、「見えない筋肉」のはたらきが注目されつつあります。

関節ははずれやすい

筋肉が発揮した大きな力を伝達し、運動に変換するのは関節です。関節には、肩関節のような球関節、膝関節のような蝶番関節などいくつかのタイプがありますが、いずれも自由度の大きさと引き替えに、ある程度「はずれやすい」構造をしています。このため、じん帯や関節包がしっかりと関節のまわりを包みこんでいます。蝶番関節のわかりやすい例として、膝関節を考えてみましょう。膝を伸展するときには、大腿四頭筋が膝蓋じん帯を通 じて下腿骨を前方から引っ張ります。このとき、膝関節は伸展方向に回転すると同時に、当然のことながら前方にずれようとします。これをはずれないようにしているのが前十字じん帯などのじん帯です。

拮抗筋の重要な役割

しかし、小さなじん帯にくり返し大きなストレスがかかると障害が起こります。そこで、拮抗筋のはたらきが重要になってきます。膝関節では、大腿四頭筋が強くはたらくと、同時に拮抗筋であるハムストレングスが、下腿骨の基部を後方に引っ張ることによって、膝関節を安定させると考えられています。以前ご紹介したように、優秀なスプリンターでは、レッグエクステンション時にハムストレングスが共収縮してしまいますが、この理由のひとつは、膝関節を安定化するためであるといわれています。こうしたことからも、拮抗筋どうしをバランスよくトレーニングすることが重要なことが分かります。

肩の外旋筋群(インナーマッスル)

一方、球関節のように多様な動きをする関節まわりには関節を安定化するのに重要な筋群が多数あります。肩関節では、広背筋や三角筋にかくれて見えないところに、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という、肩の外旋筋群(カフ・ローテーター)があります。これらは、「インナーマッスル」と俗称されます。これらの筋群が重要視される理由は次の二点です。ひとつは、上半身の最も大きな筋である大胸筋、広背筋のいずれも、肩を内旋させる作用をもつため、これが大筋力を発揮するような動作では、外旋筋群が拮抗して肩関節を安定化します。第二には、三角筋などによって肩を挙上するときに、これらの外旋筋群がはたらいて、肩の上方へのずれを防ぎます。これらの外旋筋群の筋力が低下すると、力学的ストレスによってじん帯や滑液包に炎症が生じ、「インピンジメント症候群」などの肩痛の原因となると考えられています。

股関節を安定させる筋群

同様に球関節である股関節でも、比較的小さな、「見えない筋肉」が、関節を安定させる上で重要な役割を果 たしています。中殿筋、小殿筋、恥骨筋、長内転筋、外閉鎖筋、方形筋、梨状筋などです。かつて橋本聖子選手が原因不明のスランプに陥ったことがありました。長期間悩んだ末にカナダの専門医に診てもらったところ、その原因は、何と梨状筋の肉ばなれだったそうです。

腸腰筋はスプリンターの証?

1999年に、若い白人と黒人の間で大腰筋のサイズに著しい違いがあることが発見されました。大腰筋の筋断面 積は、黒人が白人に比べて3倍以上も大きいそうです。このことは、黒人のスプリント能力と無関係ではなさそうです。大腰筋は腰椎に始まり、腸骨筋とともに骨盤の表面 を通って大腿骨に至る筋で、大腰筋と腸骨筋を合わせて腸腰筋と呼びます。これらは、内臓と脊椎の間にあることから、深部腹筋群とも総称され、「見えない筋肉」の代表ともいえます。スプリンターの筋系をMRIで調べた国内の研究からも、腸腰筋が発達していることが示唆されています。腸腰筋は、大腿直筋とともに股関節屈筋ですが、同時に、骨盤を前傾させる作用、腰椎のS字型を維持する作用を併せもちます。したがって、走行中に体幹を安定させながら骨盤をコントロールし、大きく強いストライドを生みだす原動力となっている可能性があります。

どういうトレーニング種目がよいか?

これらは「見えない筋肉」は、「見える筋肉」を継続的にトレーニングする上でも軽視できません。しかし、これらを専門的にトレーニングする種目はあまりありません。カフ・ローテーターについては最近、チューブなどを用いた方法がよく紹介されていますので、それらを参考にするとよいでしょう。股関節まわりについては、フリーウエイトを用いること、特に、フォワードランジやサイドランジがよいでしょう。腸腰筋については、レッグレイズ系の種目、例えばハンキングレッグレイズやニーツーチェストなどがよいと思われますが、これらは逆に腰を痛める危険性を伴いますので注意も必要です。

 

長い夏休みの後、9月3日から練習をスタートしました。3週間ぶりの練習ですので、身体もしっかりなまっています。上記の「基本となる身体の操縦法」@〜Dを意識して、トレーニングに次の内容を入れています。

イ おんぶ歩き

ロ 抱っこ歩き

ハ 手押し車(上向き、下向き、前進、後退)

ニ 上体起こし

ホ 四股踏み

皆さんには「なんだ、そんなものか」と言われそうですね。鹿屋体育大の清水先生に ROUGH(粗い) POWER と REFINED(洗練された) POWER について教えて頂きました。マシンを使ったウエイトトレーニングはROUGH(粗い) POWER トレーニングの典型的な例でしょう。例えば、シットアップ(腹筋上体起こし)の時に、両足を固定して行うトレーニングもこの例です。この時に、補助者が左右の手で支える強さを変えてみるとどうなるでしょうか。トレーニング者は左右の力の入れ方を調整しながら上体を起こすことになります。つまり筋肉を洗練して鍛えることになるというのです。言われてみれば、バスケットボールで腹筋のパワーを必要とするのは、このような使い方であると納得しました。勿論ベースとなるべきROUGH POWERがあってのことですから、トレーニングの初期にはそんなに意識することはないかもしれませんが、筋肉に細かい調整をさせるということは「基本となる身体の操縦法」@〜Dにも大いに関係すると考えました。

イ〜ニのトレーニングの際に、意図して行っています。

の四股踏みは斎藤 孝先生が「足腰のねばり強さ」をチェックし鍛える方法として推奨しておられます。16年前のチームに四股踏みをさせていた事があります(そのチームはインターハイに行きました)。共同石油の中村和雄さんの真似でした。その当時は、「腰を落とさせたい」「筋持久力をつけさせたい」という目的でやっていました。しかし今回は目的意識が異なっています。@安定した軸作り(膝と足首の関係、大腿骨とつま先の方向性)、Aインナーマッスルの強化 を多分に意識しています。

たったの10日間ですが、ある選手が「化けました」。バレーからバスケットボールに転向してきた選手で始めて1年と5ヶ月です。うちのチームでは最長身の選手ですが、リバウンドだけが取り得で、ディフェンスに関しては完全な「アナ」でした。スピードの緩急、上下・左右のフェイント、急激なストップに全くついていけないのです。この選手が昨日のドリブル1対1でディフェンス4連勝を果しました。嬉しそうな顔が眼に焼き付いています。フットワークトレーニングなどは新たにやっていませんし、今までと変わったことと言えば、「四股踏み」をさせたことだけです。他にも、ディフェンス姿勢の向上した選手が現れだしました。

大相撲の若松親方(元大関朝潮)がHPに「四股踏みはインナーマッスルトレーニングになっているのではないか」と書いておられます。私もそのとうりだと思います。長い間相撲界で良い稽古方法として残ってきた「四股踏み」にはそれなりの理由があるのではないでしょうか。肩関節のインナーマッスルトレーニングではゴムチューブを利用した方法が紹介され、ポピュラーになってきましたが、股関節については、まだこれといったトレーニング方法が確立出来ていないようです。そういう点からみると、現時点では効果的なトレーニング方法の一つであると言えると思います。また、余談ですが、「鉄砲」と言われる稽古方法も肩のインナーマッスルを鍛える方法であったことに気づきます。古いものにも素晴らしいものが沢山ある。おんぶ、だっこ、手押し車・・・・そんな事を発見する期間となりました。

 

2002年3月12日(火)   

TeamU 発足記念大阪講演会に出席して」

 39日(土)18時から21時にかけて、大阪国際交流センターで開催された標記講演会に出席してきた。

 内容は  1部:「ビジョントレーニング初級講座」 視覚情報センター 代表 田村知則先生  2部:「武術をスポーツに活かす」 沖縄古伝空手心道流 宇城憲治師範  3部:「浪速高校野球部の取り組み」 監督 小林 敬一良先生、キネティック・フォーラム主宰 矢田 修一先生

 の3部構成である。いずれも興味深い内容だったが、古武術練習日誌に関係の深い2部:「武術をスポーツに活かす」について報告する。

 空手の組み手動作の中で、特に「呼吸」ということを強調しながら、実演された。頂いた資料には武術とスポーツの違いが書かれている。

スポーツ:ルールがある。結果は勝ちか負け。可逆的上達(後退することがある)。

武術:ルールはなし。結果は生か死(相手に勝つことより自分を守ることに必至)。非可逆的上達(階段状に上達し、後退することはない)。

事理一致 と 間

 事:事実、手、足、体の動き、技

 理:道理、心の働き、理合い

 間:時間としての間、距離としての間       これら全てが一致してこそ実践(使える)

 弟子との組み手を交えながら、説明しておられた。空手や合気道といった武術の経験を持たない私には、視覚以上のインパクトは持てなかったが、どの動作にも上記の事理一致 と 間を充分に感じさせられた。例えば、相手の面への剣に対し、自らの剣で受ければ、必ず刃先はボロボロになる。すなわち、相手の懐に入ることによって、あるいは間を取ることによって対応しなければならない。決して受けの動きを作ることはないということを言っておられた。「呼吸」というのは、を作るための最大要素になるのではないかと考える。息を止めることは貯めにつながり、相手への予測を誘うものではないかと考えられる。相手に伝えない為の呼吸方法というのがあるのではないだろうか。宇城先生の動きは信じられないような速さだった。絶対スピードというよりも、読めない速さといった方が正しいかもしれません。

 受講者(参加者)からの「スポーツとどのように融合を図ったら宜しいでしょうか?」という質問に対しては、「武術を体験し体感して下さい。知識だけでの納得では融合を図ることはできないでしょう。その為に今日は実演してみました。」というような回答であったと思う。

 先週の富山での勉強会に続き、2週連続で武術について勉強してきた。奥の深さを知り、興味は増していくが、どうやってバスケットボールに結び付けていけば良いのか、ますます悩みも増えていきそうである。

 第3部「浪速高校野球部 監督 小林敬一良先生」の、「ウエイトトレーニングを始めとして、今までは全てアメリアの後追いをしてきた。後追いをしている限りは、アメリカを追い抜くことができない。日本独特の何かを作り出していかなければいけないのではないかと考えています」という言葉は、私の考えと全く同じものである。金田先生、コーチKさん、そして私達の歩みが日本のバスケットボール界に一石を投じることができるように、努力していきたいものである。

2002年3月6日(水)   

「古武術(効率的な動きつくり)勉強会」

 3月3日(日)・4日(月)の2日間、富山県砺波市のコーチKさんの下に集合し、桐朋高校金田先生と3人で勉強会を行なってきた。独学でバスケットボールへの古武術導入に取り組むコーチKさんの練習を見学し、意見交換を行なおうというものである。コーチKさんは、桐朋高校の練習ビデオ、武道家甲野先生のビデオを入手し、誰に頼ることなく独学で勉強に励んでおられる。3日は歓談しながらの意見・情報交換、4日は体育館での実技講習を金田先生から受け、その後出町中学女子部の練習を見学した。出町では、希望者に対してだけではなく、全員共通の練習メニューに組み込み、ディフェンス・オフェンスのフットワークドリルとして積極的な取り入れをされようとしている。部員13名という小さな所帯、土地柄からくる素直な性格もあるのか、選手の取り組みは前向きで、現状を打破する秘薬でも手に入れようかという様子に見えた。今までのフットワークドリルの動き「貯め・蹴り」を「抜き・浮き」などの力まない効率的な動きに変えていこうというものである。やろうとしていることが報われるという保証は一切無い。金田先生も私も動きの一つ一つを吟味しながら、見学させていただいた。私が砺波に出かけた大きな理由は、実効性のある動きになるかどうかを見たかったからである。私の選手達はまだ基本的な動きつくりをやり始めた段階で、コーチKさんの取り組みからは大きく遅れをとっている。私自身もようやく「常歩走法」が身につきだしたところである。一歩先行く出町の選手を見学したかったのだ。

 お二人にもお話ししたのだが、国民の血税から研究費を頂戴している私としては、研究者として何とか分析をしなければいけないと考えている。オフェンスとして速いかどうかというのはとても数量化しにくい、たとえ動作スピードがゆっくりであっても反応され難ければ結果としては早い動きになるからである。古武術の貯めを作らない動きの合目的性はここにあるのではないかと考えている。しかし、対応を必要とするディフェンス(ボールを取ろうとする攻撃的な行為は除く)においては、反応の速さ、動きの速さが絶対条件になる。このような観点で捉えた場合に、古武術的な動きがディフェンスにおいて有効であるという確証を今まで持てなかった。金田先生のディフェンス技術への取り込みが進んでいない理由もここにある。出町選手の動きを拝見したところ、今までの動きより速いのではないかと感じる動きがいくつかあった。松江高専の学生にマスターさせて、従来の動きとの比較検証を数量化して発表したい。そして、何時かはオフェンスの動きにおいても分析してみたいと考えている。もう既にコーチKさんのように動作開発の研究をしておられる方が他にも沢山おられるのであろうか?出来るだけ早くに発表したいものである。

 出町の選手達の中にも上手く進んでいる者もいれば、従来の(古武術的ではない)動きと変わらない者もいる。どんな技術練習でも同じだがフットワークの為の更に基本となる動きがあるからではないだろうか。例えば、肩甲骨を動かせるようになり、骨盤の向き・角度を調整できるようにならなければ表現できない動きがあるということだ。出町の選手は最初から総合練習に取り組んでいるように思う。そうであれば、自然に身につけることが出来る者と、時間だけが過ぎいつまでたっても身につけることのできない者が出現するのではないだろか。その原因は幼児期からの運動体験によるものであるように想像する。富山のM井先生から、「動きつくりとしての体系化を考えてください」と言われた。これは、金田先生の狙っておられる「工夫する力」を否定するもので、「マニュアル化」に結びつくものかもしれない。作ることの功罪は分からないが、整理する必要はありそうだ。そして年少期からの遊び体験として自然に身につけさせることのできる方法が考えられればいいと思う。何でもできるボディを作っておいて、そこからは個人の発想によって新しい技術が開発される。夢のような話だろうか?

 肩甲骨を動かせるようになることで格段にシュート距離が伸びるのか?金田先生も私もそれについては?をつけた。シュートをセットする時に肩甲骨を後方に引くことができないからである。ただし、二人とも前には移動距離・時間が増えるので、幾分かは貢献できると考えている。私と同じ研究室の森田先生にお話したところ、自分はそうは思わないと言われた。「骨盤の微妙な角度で自分では想像できないような下腿の速い振りだしが生ずることがある。肩甲骨の前後への移動ということだけでなく、インナーマッスルを有効利用した微妙な筋肉の動員(合成)で速い腕振りが生まれるのではないか」という意見である。流石に日本一を経験したハードラーである。説得力充分であった。

 

 

2002年2月25日(月)   

「常歩走行」順回転・逆回転のギアチェンジに挑戦

 試験期間中なので、時間の余裕があると思ったら、校内の会議が続き、結局いつもと変わらない時間になった。花粉症のせいか、それとも急激な気圧の変化の影響か、朝から2度も鼻出血があった。気分が優れないので、逆療法をと思い、19時過ぎに家に帰って夕食を済ませ、その時間からは滅多に行くことの無いスポーツクラブに出かけた。入浴後常歩走行を30分、腹筋(トランクカール)、背筋(バックベンド)を軽く行った。常歩走行では、12km/時のゆっくりのスピードながら順回転と逆回転(コーチKさんは自転車型と糸巻き型と称しておられる)を瞬時にギヤチェンジできることに挑戦しながら行った。私の場合は、右手できっかけを掴むので、右手が前に出る時にはスムースにチェンジできるが、左手が前に出た時には、一瞬のタイムロスが起こる。ターン場面で想像すると、右足が2の足になる場面は良いが、左足が2の足になる時には上手く行かないことになろう。明日は、実際にターンをしながらやってみたい。

 

2002年2月21日(木) 

「常歩走行」バック走・ターンに挑戦

 久しぶりに身体を動かした。スポーツクラブでのトレッド・ミルを利用したランニングとスタジオを借りてのターンの練習である。

 今までは前向きだけだったが、今日は後ろ向きの常歩走行にも挑戦した。トレッド・ミルでバック走をするのは結構難しいものがある。速過ぎると手すりにぶつかるし、遅すぎると落っこちてしまう。スピード調整をしようにも、ボタンは背中にあるので上手くいかない。“NIKE”のCMにトレッド・ミル上でダンスのパフォーマンスを行うのがあるが、あれってとんでもなく難しい筈、勇気ある人は指導員の目を盗んでお試しあれ。

さて、前置きはこれ位にして、常歩のバック走だが、そんなにスピードアップをしなかったので、簡単にできてしまった。順回転でも逆回転でも問題なしである。ランニング中にチェンジすることも簡単。

続いてスタジオでのターン練習。スタジオの幅は10mもないので、ランニングスピードを上げることができない。イメージトレーニングに近いものがあった。バスケットボールでいうフロント・ターンを行う時には順回転で、バック(リバース)・ターンを行う時には逆回転の常歩を使う。走行の際とターンの際の回転方向を変えなければならない。私の場合は、意識しながらの動作であるが、回数を重ねれば無意識下の動作になるであろう。

久々の運動に疲れ、筋トレは怠けた。ちょっと体重オーバー気味。

 

2002年2月20日(水) 

 会議続きで自分で動く時間がとれない。今日の日誌は掲示板に書き込みのあった質問にお答えさせていただく。

「常足のターンが・・・」

投稿者/暗中模索の顧問

投稿日/2002220日(水)12:27

ここをいつも参考にしている、同じく高専でバスケを指導している者です。
新米顧問の私にとって、ここを含めたバスケ関連のHPはバイブルです。

ところで、
金田先生の番組がきっかけで、うちでもナンバの取り組みをしています。
ここでは、常足ということですが、個人的にもいろいろ探っているうちに
何がよいのかわからなくなりました。学生には、左右の軸足を指導しています。
そこで、日誌も読んでるのですが、ターンのコツが理解できません。
恐らくこうなのかなと、学生と考えていますが、「こうだ!」というのが
ないので行き詰まっています。NHKでのVTRも撮ってなかったので、
見て理解することができません。うーん、困った。

 

「常歩走行でのターンについて」

コーチMOCCHIN

甲野先生(だけではないかもしれませんが)の古武術の基本的なCONCEPTは以下のことを排除しようとするもののようだ。

「ねじる」「ひねる」「踏ん張る」「強く蹴る」「頑張る」これら全ての「貯め」を積極的に作り出すための動き をである。

 つまりターンについても、上記のことを極力避けた動きが求められる。シャトル・ランに用いるターンで考えてみる。多くの選手は通常ストライド・ストップからのフロント・ターンで行う。特別な指示をしなければ1の足でブレ-キングしながら2の足をサイド・キックの要領で蹴ることによって方向変換の強さ・鋭さを求めているように思う(野球選手の盗塁スタートの動きに近いような気がする)。

 古武術のCONCEPTを大切にしながらターンを行うと全く異なったものになる。1の足を着く瞬間につま先を180度方向変換させて重心もその足に置く。2の足も着地時には180度方向変換している。蹴らないので、置くだけといった感じになる。

 文章の表現なので、伝えにくいかもしれないが、読みながら動いて頂くとわかって貰えると思う。是非実際にやってみて欲しい。私は今ターンをしようとして走っている。右足を2の足にしてターンをする。1の足となる左足が着地する瞬間に左回りに180度方向変換し、右足を置くだけである。1の足を脱力し右の足が前に来るのを待つ。最初は1の着足の際にジャンプするように見えるかもしれないが、最初はそれで良いであろう。慣れてくれば、1の着足の際に「抜き」を作りながら180度の方向変換が可能になると思う。もう1つの方法を紹介する。今度は足が反対になる。回転する方向は左回りなので、同じ回転方向だが、1の足を右足に、2の足を左足にするものである。桐朋高校で見せていただいたターンだ。何十年バスケットボールをやってきたが、初めて経験するターンであった。「ねじる」「ひねる」「踏ん張る」「強く蹴る」「頑張る」を排除していることは確かである。

 ここでお気づきだと思うが、これらのターンをスムースに速く行う為には、「抜き」(脱力)・「浮き」の技術を体得しておく必要がある。これこそが奥義なのではないか。とすれば簡単には得とくできないのかもしれない。近づくことは可能であろうと信じたい。

 

 

2002年2月18日(月) NEW

 金田先生にはマニュアルはない、またマニュアルを作らないことに意義があるというような事を言われた気がした。基本的には強制はしない、その気で取り組みたいと思うものだけで挑戦しようというスタンスをとっているが、これではなかなか定着しにくい。時間的に余裕のある土・日・祝祭日の練習に基本内容だけを取り入れて練習を始めている。具体的な内容は提言コーナーに掲載しているものの取り出し練習である。長期的な視野で取り組みたいと思う。

 常歩走法に進歩が見られないために悩んだ挙句、愛知のご隠居にご示唆を頂戴し、ATHRA 3月号に執筆されている京都大学 小田伸午助教授のHPに質問を書き込ませていただいた。それに対する回答を頂いたので紹介したい。

「教えて下さい」

投稿者/コーチmocchin
投稿日/ 200228日(金)15:43:37

小田先生はじめまして、木寺先生とリンクさせて頂いているバスケットボールが専門の者です。一応先生と同じ研究・教育職です。常歩走行のバスケットボールへの導入に取り組んでいます。自分も選手と同様に実践してみていますが、スピードを上げるとどうしても上手くいきません。 

さて、先生のNo.62について質問したく書き込みをしています。言葉尻をとらえるようで失礼かと存じますが、全力疾走と全速疾走が混同されているように思います。

>先日、とうとう、体育の時間に常歩で全力疾走が出来ました。じつに楽に、リラックスしたまま、スピードが出ます(そう感じます)。左右交互型で全力疾走してみると、自分は力が入っているのですが、その分、速いかどうか疑問です。同じくらいではないでしょうか。常歩全力走がはたして通常走法に比べて速いかどうかは、今後の検討課題です。

リラックスできていれば全力疾走では無い訳ですし、それが通常走法に比べて速くなければ全速疾走でもないことになります。お言葉をとらえて指摘したいが為に言っているのでなく、何とかして球技のゲーム中のランニングに常歩走行を取り入れたいと思っているから、真実を知りたいのです。 常歩走行での全速疾走は可能だと思われますか?特に、球技のようにローギア型のパワーが要求されるものでも常歩走法だけで全ての走りが出来るものなのでしょうか?
 初めての書き込みで最初から失礼な問い合わせになりましたことをお許しください。ご返事を楽しみに待っております。

 

「常歩習得メモ」

投稿者/ 小田伸午 
投稿日/ 2002215日(金)14:08:07

お返事遅くなり、申し訳ありませんでした。私の常歩も、次第に進化していまして、木寺先生、常人歩人氏とのやりとりでだんだん分かってくることがありました。したがって、No62で書きました常歩では、本当のスプリントはもう一つ難しく、サッカー部の数名の学生諸君に、No62の常歩で走ってもらうと、みな通常の走りより03から4遅いタイムでした。ただ、この走りも、急激ターンのときや、5mくらいの短い距離の往復走や、坂のぼりや階段登りなどは楽に素早くできるというメリットがあるようです。

リラックスできないと全速走にはならないことは、頭に止めておいてください。身体でわかるべきことですが…

 では、スピードの出る常歩の習得について、ある高校で教えてきたことがありますので、そのときのメモがありますので、参考にして下さい。

1)まず、両足幅を肩幅以上に開かせて、手は、真横よりやや前に水平挙上して、左右に極端に大きく体重移動をしながら、ゆっくりゆっくり歩きました。「みんなも、1才の頃、まずこうやって歩いていたんだよ。2直線の上を、左右に体重移動しながら歩く。そう、軸が左右にできるんだ」
2
)次に、1直線上を歩きました。体育館の板目の上に添って歩きました。軸はいくつある?二つ?一つ? そうですね、身体の中心に1本ですね。身体が中心軸を基点にねじれますね。ねじって、反対にねじりもどして、こんどは、逆にまたねじって、またねじりもどします」「腕振りは、どうですか?前に振って、止めて、またこんどは逆に後ろに振ります」「ちょうど動きを逆向きに変えるときに、止まってしまうでしょう。ここが問題なんです」

32直線に戻します。股関節の位置を説明します。乳首の真下だよって。うえからみて、骨盤の縁(へり)の真下に足の外側の縁がくる位置だよ。この足幅、骨盤幅っていいます。これまでの感覚より、かなり、足が左右に開いているでしょう。それで、この間授業で言ったように、股関節の上に上体を乗せてゆくことができるんです。

4)骨盤幅で立って、手をやや前に水平挙上したまま(手の甲が上に向いている)、左右に体重移動しながらその場で揺らがせます。このとき、まだ歩かないんです。その場で左右に倒れながら左右に体重を移動することを繰り返します。

5)では、そこからゆっくり歩いて行ってと言って、歩かせます。これを、しばらく体感させます。

6)次の指示は、「こんどは、これまでは腕を真横に挙げていましたが、手の平が上に向くように手を捻って(外旋)、思いっきり、しかし固くしないで胸を張って、手を後方に引きます。手のひらの位置は、肩の位置より低くなっていいですよ。そう、この間授業で言った、だちょうの走り方です。手は、ダチョウの羽根ですよ。胸張りは、ダチョウの胸です。さあ、これで歩いてみてください」

 ここで、しばらく、様子を見ます。ほとんどの子が、進行方向に向かって肩が逆回転する常歩になっています。左右にしっかり揺らがせる指示を再度送ります。そうすると、逆回転が目立たなかった子も、逆回転に入ります。

7)「どうですか?どんなかんじですか?」「皆さんの動きは、こんな風ですね」。逆回転をオーバーにやってみせます。歩く方向に対して、後ろ向き、逆向きに肩が回転する感じですね。これを、逆回転常歩と呼びます。さあ、だちょうの姿勢で、逆回転常歩を覚えましょう」しばらく、続けさせます。

8)こんどは、だちょうの状態で羽根(腕)を後方に引いたまま、肘を体側のやや後方において、そこから肘を90度くらい曲げさせます。手のひらは上を向けておきます。その状態で歩かせます。2直線、左右に体重移動、逆回転などと声を出します。

9)だちょう、肘曲げで、ゆっくり走らせます。しばらくして「このとき、肘をリラックスしておくと、肘が自然に曲がって、伸びてという動きをします。肘が固い人は、お手玉を手首のスナップでぽんぽん挙げる感じで肘を曲げるとよいですよ。お手玉走法です」 また、しばらく走られます。

10)いま、お手玉走法っていいましたが。糸巻き走法ということで常歩になじめる人がいるかもしれません。やってみますよ。からだの前で糸を巻いて下さい。自転車に乗るときのペダルの回転と逆の回転で糸を巻きます。そうしたら、次第に肘を体側の位置に後方に引いて糸を巻いて下さい。そうです。そうしたら、もっと胸を張って肘を体側の後ろにもってきた状態で、そう、だちょうです、糸巻きしてください。そうです、いいかんじ。それで走ってみてください」「糸巻き走法が感じいい人、手を挙げて。お手玉走法がいいと思う人、手を挙げて」  半々くらいに分かれました。

11)さあ、もう、皆さんは、常歩が出来ています。手のひらが上に向いていますが、それを、横向けてもいいです。したむけてもいいです。いろいろ試して、何が、どういう感じかを確かめるんです。授業でいいましたね。頭で考えるんではなく、感じるんだって。

12)こんどは、すこしスピードを出して、走ってみましょう。 数本やります。乗ってきた子は、全力になってしまいます。「前に巻き付くように上がってきた手を、下先を下向けて突き刺すようにしてもいいですすよ。あるいは、カナズチでうつ感じで手首の下方向へのスナップを意識してもいいです。

13)スタートダッシュをやりましょう。だちょうの低い姿勢から、腕を後方にやったまま。後方に腕を伸ばしたまま、前傾したまま10m走りましょう。ゆっくりでいいですから、足で蹴らないで、地面を踏んでゆく感じでゆきましょう。

14)次に、腕を後方に伸ばした状態から落としてこんどはそのはずみで自然に曲げて走りましょう。お手玉感覚でも、糸巻き感覚でもいいですから、自分の好きな感覚で、いきましょう。低い姿勢をとるときに、足幅が骨盤幅よりさらに広くなります。そして、最初の1.2歩は、手の先を、床(体育館)に擦るくらいな感じにしてみてください。ここで相撲の摺り足と手の送り(常歩)をみせます。「日本の相撲は、その立ち会いのスピードは、世界一」といいます。「相撲の摺り足感覚が、蹴らない、常歩のスタートダッシュの感覚に通じています」

15)胸が張れない人は、剣道のしないを、横向きにして背中の胃の真裏において、両肘を棒の後ろに持ってきて、肘をやや曲げます。こうすると、胸を張って、肘を引いた状態になります。この姿勢で、逆回転で歩いて下さい。これが、本当の常歩(なみあし)あるきです。逆回転で、最初は肩が上下に大きく揺れますが、だんだん、慣れてくると、肩の上下の動きがなくなって、肩が水平のまま逆回転します。このあたり、次第に慣れてきます。そのうち、肩の位置がぴたっと動かなく止まってきます。それでいいんです。最初は、逆回転を覚えて、最後は肩が動かなくなるのがいいんです。

16)まっすぐ走るには、この逆回転型常歩がいいですが、急激に180度ターンするときは、その反対の順回転型(自転車回転方向)常歩がいいんです。両手を真横より45度くらい前に水平挙上して、これで、順回転で歩いてみましょう。これも、左右軸を使った動きで、常歩の一種です。このときは、多くの子が、結構、さっと、順回転が出来ました。走って下さい。これも、すぐできる子が多かったようです。では、自分で180度ターンして下さい。順回転で。ぱっと、反転が楽でしょう。こうやって、中心軸で、蹴って、ねじっていったら、ターンが膨らんでしまうでしょう。2軸で、順回転でいったら、先頭が急に最後尾になって、最後尾が急に先頭になりますよね。これがいいんです。

17)こんどは、逆回転のまま180度ターンしてください。どうですか。ターンしようとしても、次の足が前に出てしまいますね。そこで、逆回転で走って、ターンするときの踏み込みを順回転で、そして、方向を変えた最初の一歩も順回転で出ます。その後は、逆回転にさっと戻します。さあ、やってみましょう。5mの往復走を2往復してもらいます。

18)相撲の立ち会いのダッシュのとき、1歩目は、順回転のようにして同側の手と足で踏んで、そこから、逆回転にしてゆく感じでいきましょう。このスタート感覚、よおく反復して覚えましょう。5本くらい、ゆっくりやらせます。

19)さあ、最後に今日やったことのおさらいです。

ゆっくり歩いて2軸で体重移動。

ゆっくり走って、逆回転。ゆっくり走って順回転。

逆回転と順回転を組みあわせてターン。

摺り足からダッシュ。蹴らないんだよ

 

 一応全部の流れどうりに全員でやってみた。言葉だけではイメージが掴みにくく、小田先生の意図しているものとは異なった動きになっていたかもしれない。17)のターンが入ると途端に難しくなった。理屈では分かるし、ゆっくりやるとできるのだが咄嗟には反応できない。合わせて18)の相撲の立会いも同様である。この動きを球技のダッシュにどう繋げていくのかがイメージできない。経験を重ねて体感するしかなさそうである。

お知らせ

 昨日の練習を最後に、試験休み、試験期間を含めて1ヶ月の長いオフに入ります。その為に「古武術練習日誌」は選手の取り組みではなく、私自身の取り組みということになります、この日誌の進展を楽しみに待っておられた方には申し訳ありませんが、お許し頂きたいと思います。選手には、「体力レベルを落とさないようにして欲しい」、「常歩走行の速い走りをマスターしておいて欲しい」という2点だけを御願いしました。

 

2002年2月14日(木) 

 バスケットボール部の練習では動き作りを継続しているが、なかなか進歩した状態は見られない。わたしの常歩走行も時速16kmでストップした。スポーツクラブのトレッドミルのMAX16kmで、それ以上に上げられない。軽い肉離れを抱え、寒いところでの運動は控えたい状態なので、春の暖かさを待ってのフィールドでの挑戦としたい。それまでは、「常歩が普通」「常歩が自然」に感じられるように習慣化させたいと思う。

 金田先生がコーチKさんの掲示板に次のような書き込みをしておられます。私に対する励ましでもあると考えて、ここに掲載させていただきます。

雑感について 投稿者:金田伸夫  投稿日: 2 8()091716

 

はじめまして。
mocchin先生から古武術を導入なされようとしていると伺い、読ませていただいております。お一人でなされていると思いますがそのご苦労は大変なものがあると思います。桐朋学園には古武術に興味を持っているのが私を含め4人おり、皆でああでもないこうでもないと話し合いながら指導しています。そのうち2人は勤務場所も違うのですが暇があると駆けつけてくれます。専門は剣道2人、陸上1人という異分野の方たちですが、動きの質、生徒の人間的成長で意見が一致しておりますので生徒たちをうまく指導してくれています。こういう環境でやっていますと、1人で研究している方の凄さと強さに心打たれるばかりです。
さて、私共もコーチKさんのチームと同じような症状が出ております。最近ふと思ったのは古武術を教えなくても頑張ることの出来ないチームだったのではないかということです。私はそれを古武術で補おうとして更にはまってしまったのだと思います。やる気のないチームでもそれなりの成績を残した(高3の最高は東京4位、高2は東京のベスト32)のは不思議ですが。そこで現在、うまくいくか分かりませんが、頑張って踏ん張る練習(現実)と超高速でためない動き(理想)の練習を織り交ぜてやらしております。少しうまくいきだしたような気がしますが。
最近mocchin先生を始めとして多くの方との出会いがありました。そこで感じることは、与えられた環境の中で、生徒の幸せや自分の成長を考えて何とかしようと思っている人の多さと情熱の凄さです。能力のない子を育てるより、能力のある子を連れてきたほうがチーム強化には効率がいいような気がします。この欲望はコーチをしている間は消えることはないでしょう。しかし、甲野先生から教えていただいた身体の研究法・物事の探求法は定年後にその真価が発揮されると思っています。それはバスケットボールという自分の表現方法がなくなっても、死ぬまで研究できる宝物をいただいたということで。
離れて会えることも少ないと思いますが、今後の交流のお願いと、技の進展を祈願しております。

 ニュース! 常歩のランナー発見

 私の研究室は、陸上の専門家(400mHの大学日本一)であるM先生との二人部屋である。大学院を出ていない私は事ある毎にM先生に助けを求めている。そして意見を貰っている。「常歩走行」についても、意見交換をしてきた。木寺先生の動画、ATHRAの記事に関しても同様である。そのM先生が29日(土)〜11日(月)にかけて、高松で行われる陸上の強化合宿に参加された。中・四国の国体強化選手が中心だそうだが、神奈川県のY高校からも参加があったそうだ。その中に、常歩走行の選手がいたそうである。昨年の宮城国体少年女子B400mで入賞している選手がその人だ。明らかに他の人の走りとは異なり、その選手の走りを見た瞬間にこれだ(「常歩」だ)と思ったそうだ。本人も指導者も今話題になっているそれであることは分かっていないようである。特長としては、後半にスピードが落ちないこと、足は腿が上がらずダイナミックには見えないこと、腕の振り(特に後方へ)が小さいことなどが上げられるそうだ。指導者は、他の者とは上下のタイミングが異なっていたが、その選手にとって自然であるように修正させたそうで、意図的に常歩を作ろうとしたものではないようだ。その選手だけを見ているととても速くは見えないと誰もが言っていたそうだ。100mも12秒台で走れるスピードを持っているそうなので、私達が求めている「バテない」ということだけではない、それ以上のものもあるかもしれない。今後その選手を興味深く追いかけたいと思う。

 

2002年2月5日(火) 

 2週間前から、足運びを正確に、鋭く行う為に、平素ほとんどやることのないフットワークドリルをやっている。@ジャンプ・トゥ・ザ・ボール(ゾーン・モーション)、Aサイドステップのジグザグ、Bディナイの左右往復走の3種類である。サイドステップのジグザクに脱力による動き作りを入れていることは前述した。

 Bディナイの左右往復走の時に気が付いた。クローズ・スタンスで追い出し(クローズ・アウト)をした時に、オフェンスにバックカットをされた場合、フロント・ターンで一瞬ボールを見失う方が良いのか、それともバック・ターンでボールを見続けた方が良いのかは、大変迷うところである。ひねらない、貯めない動き作りの最も初歩と言える股関節だけの方向変換でフロント・ターンをすると、大変速く対応できる。ボールを見失うという欠点は解消できないが、動作としては最も速いものになりそうである。股関節だけの方向変換のできる選手が少ないので、これから練習を積まねばならないが、実用性のある技術になりそうである。

 昨日、桐朋高校の金田先生からお電話を頂戴した。、私の練習日誌を読んでの感想を聞かせて頂いた。常歩走行の方向性が、以前桐朋高校での失敗経験に向かっているらしい。お聞きした途端に「頭を抱えた」。自分としては、ゴールがおぼろげながら見えてきて、頑張ろうと本気になってきたところだったからである。昨日から悩みとおした末、自分達で失敗に気づくまでやってみようという気になった。経験によって新たな発見があるかもしれない。近道にならないことはハッキリしたが、経験してみようと思った。金田先生がおっしゃるには、腕を切り離して動かせないと、全速力には近づかないということであった。木寺先生のランニングフォームを目標としていた私としては大ショックだった訳だ。これで、理想のフォームが頭の中から消失した。金田先生から送っていただいた、昨年度のチームのゲームビデオから読み取るしかなさそうである。発見できるだろうか。自信ないな・・・・・。

2002年1月31日(木) 

 今日は私の母親の誕生日、娘(孫)が起き掛けに電話でお祝いをいった。久留米高専木寺先生から次のようなメールを受け取る。

「前略、私たちのグループの*常人歩人さんよりメールでアドバイスがありました。常人歩人さんはスポーツ選手に逆回転の常歩を教えられているそうです。参考になればと思います。」

気に掛けていただき大変嬉しい。昨日と同じ練習ながら、上記のことをアドバイスしておこなった。少しずつ出来はじめているようだ。

*常人歩人さんはスポーツ雑誌「ATHRA」(株)毎日コミュニケーションズ発行、3月号

 Special Theme

「走る革命」足が突然、速くなる。 にご登場です。是非ご一読を。

 

2002年1月30日(水) 

 久留米高専の木寺先生から常歩(なみあし)走法の速いスピードでの走りをHP上にアップしたとの連絡を頂いた。http://www.gem.kurume-nct.ac.jp/~kidera/)早々に対応していただいたことを大変感謝している。早速開いてみるとかなりのスピードでのランニングであった。ナンバではない、馬の走りである常歩(なみあし)という表現がピッタリである。自分自身のイメージと大きな相違はなかった。練習前に数人ずつ研究室に呼び、動画を見せてから練習を始めようと思う。(1540分)

 動画を見てから練習をスタートした為に30分くらい始まりが遅れた。通常の練習をところどころカットして行った。昨日と同様、ジグザクの練習に1歩目に脱力(足抜き?)による倒れこみ を行った。足を動かさずに脱力しようとすると足がつっかかりバランスが大変悪くなる、通常のサイドステップと同様にリードフットから動かし、その足を脱力すると動きに入りやすいことに気が付いた(YM君の指摘)。

 桐朋高校の「ナンバ走り」は肘関節を曲げず腕を脱力させて垂れ下げているイメージがあった。これに対して木寺先生の「常歩走法」は肘関節が適度に曲がっている為に、手の位置も高くなっている。バスケットボールには手の位置が高い方が望ましいのではないかと考える。動画を見て、各自が上記HPにある常歩(なみあし)の進化(1)順回転逆回転の練習を行ってからシャトルランをした。昨日より自然な動きに近づきつつあるように見えた。木寺先生の動画は大変美しいランニング・フォームであるが、うちの選手達のは全く美しくない。何故かな???(19時40分)

 

2002年1月29日(火) 

、 サイドステップの足運びが悪い為に最近練習メニューに加えているジグザグ(サイドステップ・2ステップのジグザグ移動)の1歩目に脱力(足抜き?)による倒れこみをやってみた。1歩目だけは倒れこみ、直ぐにリカバリーして安定した姿勢に戻すことが必要である。一人だけ通常のサイドステップより速く動ける選手がいた。これも継続してやらせてみたい。

2、脱力しながらの歩行(前方、後方)

 前方については、膝角度が90度程度までできるようになればプレー場面での応用も充分可能であろうと思う。後方は深く曲げると支えきれない。軽い膝曲げで良いように思う。

、1/19に行った蹴らずに倒れこむことによって方向を変えるジグザク走をマークを置かずに脱力(抜き)を意識して、鋭いカービングになるようにやってみた。

発見:スクリーンプレイのカッターのブラッシングに有効ではないかというマネージャーの気づきがあった。試してみたい。

4、 常歩走行は木寺先生の常歩(なみあし)習得法をそのまま利用させてもらい、@その場ジャンプ、Aその場足踏み、B常歩ジョッグ、C常歩走行、と繋げていって、最後にシャトル走を行った。選手も私と同様に正しい動きのイメージがない為に悩みながらの取り組みに映る。「難しい」の声が多かった。木寺先生のHPには次のように記載してある。

 「これまで普通の走歩行(左右交互型)しか経験がない方が常歩(なみあし)を習得するというのは、私達の想像以上に容易ではない場合があるようです。それが全く新しい運動形態であることだけでなく、常歩(なみあし)の走歩行では骨盤や肩甲骨などの体幹部の柔らかさが必要であることが主な原因のようです。さらに関連して、常歩(なみあし)走歩行を体得するにはある程度の脱力が必要です。なかなか常歩(なみあし)がしっくりこない方は、ストレッチなどで常歩(なみあし)体得の基礎を作ることも大切です。言い換えれば、常歩(なみあし)走歩行を訓練すれば、体幹の柔軟性や脱力が養成されると思われます。

疲れない走法(常歩走行)のマスターだけでなく、脱力、柔軟性の大切さに気づく機会になれば大変嬉しい。

 

2002年1月28日(月) 

 桐朋中・高バスケットボール部と金田 伸夫先生を追いかけたNHKのテレビ番組の再々放送があった。話を聞かせてもらったM君をはじめとして懐かしい顔に出会えた(?)。

 桐朋のナンバ走りに興味を持ったことが、古武術を取り入れようとするきっかけになったのだが、久留米高専の木寺先生のHPを勉強しているうちに、「ナンバ走り」という表現は不適当ではないかと感じるようになった。足と手が一緒に動く動作だと理解するととても動き難い。今後、木寺先生のおっしゃる「常歩走行」という言葉を使わせていただきたいと思う。下記のメールは、木寺先生宛てに出した質問メールと早々に頂いたご返事である。何を悩んでいるのかお伝えできれば嬉しい。

木寺先生へ(私から)

「松江高専の森山 恭行です。
失礼しています。お忙しいところ恐縮ですが質問させてください。

2
週間前から本格的にチームでの常歩走行に挑戦し始めました。私自身も、スポーツクラブで「怪訝な視線攻め」を浴びながら少しずつ努力を重ね、トレッドミルの14km/時ではペースをキープしながら何分か走れるようになりました。
しかしそれ以上になるとどうして以前の走り方に戻ってしまいます。常歩で速い走りというのは可能なのでしょうか?からだそのものが憶えてしまえば、自然に常歩で鋭い走りをすることができるのでしょうか?

上記の速い鋭いという表現はマックス(ダッシュ)という意味ではなく、中間疾走程度の意味です。

また、先生の動画あるいは自分の走りからスローペースでの常歩にはイメージがあるのですが、速い常歩の「正しい動き」が明確にイメージできません。
よろしければうちの選手のランニングの様子を録画して送りますのでチェックしていただけないでしょうか。厚かましい御願いで恐縮ですが、よろしく御願いします。」

森山先生(木寺先生から)

 「前略、走るスピードをあげると、同側の手足がほぼ同時に触れるタイミングでは走りにくくなりますね。
中間疾走から速い走りにするためにはちょっとしたコツが必要のようです。肘から前(前腕)を遅らせて振るのですが、
2、3日中に動画をとってみます。アップしましたらご連絡します。よろしくお願いします。」

 動画がアップされるのを楽しみに待ちたい。

 「コーチK」さん、「愛知のご隠居」さんから教えていただいた(武道家)甲野善紀先生のビデオテープ(第6段「武術の基本構造」、第7段「気配の消し方、アソビの取り方」が届いた。今晩、家で観ることにする。

 

2002年1月26日(日) 

 25日(土)〜26日と泊り込みで、松江から2時間の距離にある大田市の「国立三瓶青年の家」に部員12名を連れて中学生(51名)、指導者(10名)を対象とした講習会に出かけた。私自身は7年目になるので、そろそろネタ切れ状態(すみません)。指導者講習会では「古武術の動き」を話題にしてみた。先生の中にブレイクダンスが得意という方がおられた。身体のパーツを別々に動かすことを苦もなくこなされる。古武術に拘っていたが、ブレイク・ダンスにはその要素が入っているのに気づく。中学生や高校生への導入にはこちらから入るのも面白いかも。

 脱力する能力に個人差があることは前述した。その事を意識してプレーを監察してみると、パスミスとの相関があるように思った。パスミス(パスカットされる)の原因には色々あるが、自分のマークマンに阻止されるケースとレシーバーに阻止される2つのケースに大別される。レシーバーに阻止される選手に共通した欠点はビジョンの問題である。ディフェンスの位置を把握しない為に起こるミスである。自分のマークマンに阻止される選手には、「予備動作を作りやすい動き」という共通する欠点がありそうだ。そう、いつも僧帽筋を緊張させている選手(*肩を下げて動くことの出来ない選手:提言コーナー「桐朋高校見学レポート」をお読みください)はこのミスが出易いように思う。

 肩周辺の脱力とパスミスとの相関、皆さんもそんな観点から選手をご覧になってみてください。

嬉しい報告:肩関節に亜脱臼癖を持つT・H君が、はじめてライブの練習中に肩甲骨を動かす事で投げるロングパスを披露した。本人は気づいてないかも・・・・・。

 

2002年1月24日(木) 

 17時から30分間、桐朋中・高校にて練習風景を撮影したビデオを部員全員で鑑賞。桐朋高校見学レポート(提言コーナー)に登場するM君が身体の各部をバラバラに動かせることに一同驚愕。彼に御願いして撮影したシェービング動作(ピボット・ターンからボールマンが1対1で抜く方法の6通り)やライブの11を見て、力強さは感じないのに速いことを実感する。そして、クォーターダッシュ(29×50セット達成)のナンバ走りを見て、イメージ作りを図った。その後体育館に移動し、平素のメニューを短縮(カット)して1時間ほど実施した後、ナンバの練習。月刊バスケットボールの付録についていた写真も見ながら各自が動き作りを行う。仕上げは昨日と同様に20秒ラン・10秒レストのシャトルランを8セット行う。昨日よりは制限時間内での反復回数が増えているもののナンバの動きとしては不充分。最後は休憩の後にシャトルと同じスピードでクォーターダッシュを1本やってみるが、29秒を切れる選手は2人だけ。218日から後期期末試験の試験休みに入るので残るは3週間、どこまでナンバが上達するであろうか。

 2年のYT君、3年のTH君は身体の部分をかなり意図して動かすことができるようになっている。桐朋高校のM君が言っていたディフェンスの際の骨盤の位置も自覚できるようになっている。(ディフェンスの際のステイ・ローとボックス・アウトのステイ・ローでは骨盤の位置を変えているという発言。)私自身は完全に小休止状態、学生に負けないように努力せねば・・・・。

 

2002年1月23日(水) 

 昨日の反省を踏まえて、練習最後のコンディショニング・トレーニング(シャトルラン)を今日は8セットにして、できるだけクリアーするように指導した。クリアーできない者でも自分にとって精一杯の努力を要求した。今度はナンバ(常歩)の動きが完全に消失してしまった。腕の脱力をしようとはしているが、肩が前後に大きく動いている。練習を早目に終了し、パソコンのインターネットから久留米高専木寺先生の常歩走法の動画を見た。画面が小さく走スピードも遅くてイメージが掴み難いという選手の意見だったので、翌日練習前に桐朋高校で撮影したクォーターダッシュ(29秒)×50セットの桐朋式ナンバを見ることにした。

 

2002年1月22日(火)

 バスケットボールの基本練習の後、コンディショニング・トレーニングとしてシャトルランを行った。コーチング・クリニック(ベースボールマガジン社発刊)19993月号に国立健康・栄養研究所健康増進部運動生理学研究室室長の田畑 泉氏が書いておられる無酸素性と有酸素性の両方の能力を高めるトレーニングを参考にして、20秒間のランニング(マックスの80%強)に10秒間の休憩インターバルを強引に20セット行った。無茶だった。ほとんどクリアーできない状態でただ消化するだけになってしまった。反省(だけなら猿でもするか?)。

 

2002年1月20日(日)

 ジュニアオールスターのチームと練習ゲームをしたので、罰ゲームとして失点数ほどクオーターダッシュを行った。34点の失点を2組で消化。17本ずつ走った。タイムは桐朋高校より大幅に遅くし、32秒の設定にしたが完走(クリアー)できた者はいなかった。最初の取り組みから速いペースで何十セットも出来たという中学の報告を聞いたが、信じられない。当分は速さを求めず、動き作りに集中させようとおもっている。

 YT君のシュートフォームが美しくなった。楽に届くようになり、リラックスして見える為にそう感じるのかもしれない。シュートエリアが確実に広がっている。慢性腎炎が発見されて以来、筋トレは一切行っていない。筋力は明らかに低下している筈である。本人は投げる時に、特に肩甲骨の動きを意識しているわけではないといっている。彼は金田先生の言う「肩を下げる」(肩にエクボが出来た状態)ことが自然にできるようになっている。(肩が下がると僧帽筋と三角筋を別々に加力することができるから。予備動作を作りにくくなる、肩凝りもなくなるらしい。)肩甲骨を動かせるようになり、また肩を下げることができるようになり、本人の無意識のうちに筋肉の動員が巧みになっているのではあるまいか。

 

2002年1月19日(土)

 高校新人戦、2年生のスキー研修などがあり全体練習ができなかったので、6日ぶりのチーム練習である。膝関節の脱力を意識した練習を行った。@脱力しながらの歩行(前方、後方)、A蹴らずに倒れこむことによって方向を変えるジグザク走:マーカーコーンを並べ、左右にジグザグに走りなからバスケットボールコートを3往復した。脱力動作が充分にできていない段階でのスタートであったためか、動きとして期待するものは出現しなかった。もう少し期間をおいて再トライしてみたい。

 !!!驚いた!!!

私の留守中に肩甲骨を動かせるようになった上級生達がベンチプレスのマックス記録を大きく自己更新した。僅か1週間で22.5kg、12.5kg、17.kgのアップである。副産物的な効果に魂消(たまげ)た。

 

2002年1月13日(日)

 チーム全体で始めて練習に取り組んだ。具体的には、@膝関節の脱力練習、A肩甲骨を動かすこと、Bナンバ走りに挑戦した。校内の検尿で尿蛋白が見つかりドクターストップを受け、マネージャー業務を行いながら腎臓治療を続けている向上心旺盛な2年生YT君をプロジェクト・リーダーとして取り組んで行くことにした。

@膝関節の脱力について

 予想以上に苦慮している様子であった。脱力できない者、脱力した後に加力できず崩れたままの者がほとんどであった。「俺っていつも力が入っている」と驚きの声を上げていた者が何人もいたのがとても印象に残った。古武術という高いレベルのものではなくとも、自分自身への気づきのきっかけになれば大変意味があると感じた。

A肩甲骨を動かすこと

 私が後方から肩甲骨を押さえて動かすという方法に加えて、リーダーYT君が以前から自分で実践していた方法(「腕を後ろに回して折り曲げ、手の甲で腰を押すようにすると肩甲骨は後部に飛び出す、反対の手で触れて飛び出しを確認する。後ろに回した手を前にもっていって肘を軽く曲げ腕を前後に動かす。先ほどの飛び出しを触りながら出し入れをする」)を披露したところ、10分ほどでほぼ全員が少し動かせるようになった。

 3年生に1名、肩関節の亜脱臼癖に苦しんでいる者がいる。ベースボールパスをしようとすると必ず亜脱臼が起こり痛み苦しむ。彼には肩甲骨を動かすことによるロングパスをマスターさせることにした。その方法だと肩関節の痛みは発生しないですむ。本人も意欲を持ち毎日練習に励んでいる。

Bナンバ走り

 初めてなので、動作マスターを主眼に練習した。ペースは上げず、肩の前後への振れを極力押さえて足を進めることに注意しながら行った。それらしい動きが出来た者は1名であった。走り方に合わせて、ターンの練習も行った。注意点は「蹴りを最小限にする」「重心を残したままでターンする」「直線的なターンを心がける」。

 クオーターダッシュを省エネで長時間続けるためには、中間疾走とともにターンによるエネルギーロスをいかに押さえるかが重要になる。

 

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